![]() |
|
| 企業内コーチ育成のすすめ |
※この記事は、㈱帝国データバンク発行「週刊帝国ニュース兵庫県版」に、代表理事・正田佐与が月1回ペースで連載している記事「企業内コーチのすすめ」を、同社神戸支店のご厚意により、転載させていただいています。 第一回 企業内コーチ中国へ行く |
| 危機感共有を引き出すコミュニケーション |
ある人材派遣会社の役員会議にて。 今年9 月以来、この会社でも予算達成できず、士気が下がっています。そこで、社員に対して 企業内コーチ育成団体「コーチング・リーダーズ・スクエア(CLS)」(注:NPO法人企業内コーチ育成協会の前身の団体)が5 年前に発足して以来、副代表を務めてきたOさん。 Oさんと私の出会いはもう6 年以上も前のことになります。 当時、Oさんは税理士事務所に勤める、30歳男性。その時どきで後輩がいたり、いなかったり、はっきりと「部下持ち」とはいえない立場でしたが、CLSの前身である、セミナー受講生で作ったメーリングリスト(ML)に参加し、手作りの勉強会にほぼ毎回欠かさずに出席。その後任意団体に格上げしてからは、副代表として、勉強会の企画運営の一翼を担ってきました。 Oさんは団体の会合でも物静かにあまり発言せず、聞き役に徹し、トラブルが起きると、決してもめ事が好きではない性格ながら、場を収拾させるため建設的な発言をしていました。6年の間に実生活の方では、税理士事務所から人事コンサルティング会社へ、そして現在の人材派遣会社へと転職し、執行役員として入社して2 年後には常務に。 スピード出世のOさんがこの2 年間にやってきたことはというと…、 もともとコーチングを学んでいたOさんは、そこで「今は傾聴(話を聴くこと)が大事だ」と気がつきました。部下と1 対1 の面談の時間をとるようにし、話を聴くだけでなく目の前でメモをとった。そこで、部下には「聴いてもらえている」と安心感が生まれ、どんどん話し、改善提案も上がるようになりました。 また、独自に「チャレンジシート」を作り、会社の目標管理制度とは別の、1 か月単位の個人目標を作らせました。目標設定については「仕事に関することならなんでもいい。自分で考えて」 さらに、「達成したときのご褒美は」と訊くと、部下は そうして、常に「みんなで」と意識している職場なので、例えば誰か1 人が目標達成できないかもしれない!というときには、他の人がどんどん手を出して助け合います。 こうして、全員が「辞めたい」と言っていた経理はOさんの就任3 ヵ月で、会社の中で随一のモチベーション高い部署となり、他の部署の仕事までどんどん取り込んでやってしまう勢いに。 ミスの件数も減り、それは簡単なことで、「どうやったらミスはなくなるだろう?」と問いかけることにより、社員が自発的に考えてくれるようになったから、とOさんは言います。 冒頭に触れた、「社員と危機感を共有する」ことを目的にした先月の個人面談では、さすがに経理のメンバー、数字を把握しているだけに、一緒によく考えてくれました。Oさんが「今がんばらないでどうする。ぼくらのできることは何だ。他部署の応援をしていこうじゃないか」と話すと、そこでまた他部署についての様々な提案が上がったそうです。 「みんな、会社に対して帰属意識は持っていますし、潜在的に何とかしなければ、と思っています。それを掘り起こしてやればいいんです」とOさん。 今後の課題は、コーチングを、それも小手先のスキルとしてのコーチングではなく、リーダーの人間性尊重の精神を伴ったコーチングをいかに営業など他部署に広げていけるか、またモチベーション高く喜んで仕事するとはいえ、経理につきものの長時間残業をいかに減らせるか、などだ、とOさんは言います。 (帝国データバンク発行 TEIKOKU NEWS 兵庫県版 2008年12月15日 掲載) |
| ▲このページのトップへ |
| Copyright (C) 2009 NPO法人企業内コーチ育成協会 All rights reserved |